未使用長期保管品の八角玄能（「カネ定」銘）にヤスリ仕上げを施し、新たに黒鉄刀木（ウエンジ）柄を挿げたものです。頭部重量は1２0匁、サイズは全長約36㎝、頭部幅9.5㎝、打面縦2.8㎝横2.5㎝です。頭部には製造時からの傷、さび跡等あります。鉄刀木柄は新たに製作した物です。全体の形状はわずかに曲がり柄で握り部分の断面は逆おにぎり型、すっぽ抜け防止の為に柄尻を太め（縦3.7㎝横最大2.8㎝）に成形してあります。柄材のウエンジは導管が太い材質の為、唐木の粉で目止めを施してありますが、完全に埋め切れてはおりませんので、予めご了承下さい。玄能の柄は櫃穴の8割程まで固く仕込めば楔は必要ないそうですが、こちらの柄は櫃穴一杯まで固く仕込みましたので楔は打っておりません。ゆるみが出た場合は木槌等で柄尻を叩いて頂ければ固く締まると思います。（必要と思われる方はお手数ですが、ご用意をお願いします。） 柄の表面は猪の牙で磨いた上でニスで仕上げてあります。これは「猪牙（いのき）がけ」と呼ばれる手法で、エナメル質である牙で木材表面の導管を押しつぶしながら磨き上げることで、木材の持つ本来の色艶を引き出すことができる手法です。主に弓道の弓（和弓）を製造する際に用いられています。その他状態は写真を御確認下さい。
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